確定申告で配当を総合課税にし税金を取り戻そう(1/2)

※2019/3/12 注意書き等追記しました。

確定申告では株式の配当の課税方式は申告分離課税、総合課税を選択することが出来ます。今回は総合課税を選択したことにより節税することが出来ましたので、記事に残します。長くなるので、2回に分けます。

本記事の内容は税務署、市区町村の役所に数回電話した上、役所に足を運んで情報収集した結果ですので自信はありますが、皆さんが本記事の内容を初めて実施される際は、必ず税務署、役所に確認した上で、ご自身の責任で実施お願いします

税制

上場株式等の配当の課税方式

まずは基本のおさらいです。株の譲渡所得は特定口座(源泉徴収あり)であれば、利益が確定した時点で既に税金が引かれており、通常であれば申告不要ですが、敢えて申告し他証券口座の譲渡損との損益通算等をすることが出来ます。申告する特定口座は選択することが出来ますので、例えば10口座あるうち3口座だけ申告して残り7口座は申告しないといったことも可能です。

特定口座を申告する際、その口座で配当所得を受けている場合、配当の課税方式を申告分離課税、総合課税から選択することとなります。なお、申告分離課税、総合課税を選択する場合は、申告する証券口座で一括適用になります。証券口座ごとに課税方式を選択できない点に注意です。

所得税・住民税で配当の課税方式を個別選択できる

平成29年度税制改正により、所得税・住民税で配当の課税方式を個別に選択できるようになりました。そもそもの話なのですが、確定申告というのは所得税、住民税の2段階があり、私たちが一般的に行っている確定申告は所得税で、住民税については申告者が特に何もしなければ所得税の確定申告のデータが市区町村に降りてきて税金計算されるようですが、住民税を別途申告することもできるようです。

住民税の申告における配当所得の課税方式の選択は、(所得税の)確定申告と同じで、まず特定口座ごとに申告有無選択し、申告する口座の課税方式を総合課税、申告分離課税で選択することになります。

例えば配当の課税方式を「所得税では総合課税を選択し、住民税では申告しない」といったようなことが可能となります。

配当控除

配当の課税方式を総合課税にすると配当控除を受けることが出来ます。配当控除は、所得税については配当所得の10%又は5%(住民税については配当所得の2.8%又は1.4%)の税額控除です。配当控除の説明はこちらを参照してください。

ただし、配当を総合課税にすると、総所得金額として計上されますので、自分の所得額によっては結果として税金が上がる可能性があります。

配当の課税方式はどの選択が一番節税になる?

このお話はいたるところで記事にされています。みずほ証券の説明ページがわかりやすかったので、詳細はこちらを参照お願いします。結論としては、これから申告する配当・利子所得等も含めて課税所得金額が900万以下の方については、

  • 所得税は配当課税方式を総合課税で申告
  • 住民税は配当を申告しない

が一番節税になります。課税所得金額900万以下というのは、サラリーマン、OLの方ですと年収1300万に相当しますので、ほとんどの方が上記選択をとることで節税出来ます。

ただし、所得税・住民税非課税(所得35万以下等)の方については、申告することで支払った税金がそのまま戻ってきますので、その場合は住民税が非課税となる範囲で申告してください。

ローリスク投資をしていると配当は高額

これはたかっちも割とびっくりでした。たかっちは基本的にNISA以外だと株をそこまで長期保有していませんが、年間数十万の配当を受けていました。配当が多い理由は優待クロスでした

優待クロスをしまくっている人は権利日に大量の株を保有しているので、かなりの額の配当を受けているはずです。優待クロスということは同数の株を信用売りしているため、配当落調整金という形で配当と同じ額がマイナス出るわけですが、配当落調整金は譲渡所得です。そのため、実際は配当分の利益が出ていないにも関わらず、配当所得が多くなります。

配当所得が多いということは、配当を総合課税で申告することで配当控除により節税しやすいということです。これは優待クロスにとって大きなメリットですね。

配当を総合課税で申告すると年収増えるけど大丈夫?

配当を総合課税で確定申告すると、配当と譲渡所得は損益通算されませんので、申告した配当分については所得が増えることになります。皆さん所得制限がある給付・控除や、保険料支払いがありますよね。多くの方に影響ありそうなところを上げると以下があります。

  • 児童手当
  • 国民健康保険料
  • 介護保険料
  • 健康保険料(協会健保・組合健保)

結論からいいますが、上記のいずれにおいても配当所得を

  • 所得税は配当課税方式を総合課税で申告
  • 住民税は配当を申告しない

で問題ありません。まず児童手当、国民健康保険料、介護保険料については「住民税の申告書の所得」で市区町村が判断します。「住民税は配当を申告しない」という処置をするということは、住民税の申告書の所得に配当は計上されません(申告しなかったのと同じになる)ので、児童手当、国民健康保険料、介護保険料については影響なしです。仮に配当が数百万円あったとしても、児童手当が削られたり、国民年金保険料・介護保険料がアップすることはありません。

これは私が税務署、市区町村役所に電話、さらに市区町村役所に足を運んで問合せをして複数回確認していますので、少なくとも私の住んでいる市区町村に関しては自信があります。ただ、皆さんがお住まいの市区町村で例外ある可能性もありますので、役所に確認必須です。またこの他にも関連する手当がたくさんあると思いますが、皆さん気になる点がありましたら、必ず市区町村役所に問合せて確認しましょう。難しそうに思えますがお役所の税務課に電話するだけです。役所の方々は真摯に対応してくれます。

健康保険料(協会健保・組合健保)については、天引きされている会社の給与・賞与で決まるのが一般的なので、そもそも配当所得をどのように申告しようが影響はありません。

まとめ

課税所得ごとの配当の課税方式をまとめますと、以下になります。

課税所得金額(※1) 配当の課税方式(所得税) 配当の課税方式(住民税)
所得税・住民税非課税になる額(※2) 総合課税 総合課税(※3)
900万以下(所得税・住民税が課税) 総合課税 申告なし
900万超え 申告なし 申告なし(※3)

(※1)申告する配当・利子所得等も含めた金額です。ご注意ください。
(※2)住民税非課税となる額はお住まいの市区町村や、扶養親族の数等で異なります。個別に確認お願いします
(※3)所得税と課税方式が同じ場合は市区町村役所への届け出は不要です

次回は配当について所得税を総合課税で申告、住民税を申告なしにする方法をまとめます。

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13 件のコメント

  • ありがとうございます。
    この記事で、いろいろと悩んでいたことがスッキリと整理できました。
    前提から、核心まで段階的に簡潔にまとまっており、非常に助かりました。

  • とても為になる記事、ありがとうございます!
    現在、妻が社会保険の扶養になっていますが、所得税で配当所得を総合課税で申告することで、扶養から外れてしまうことはないのでしょうか?

    「協会けんぽ 収入要件 配当」でググると、たくさん出てきますが、都道府県によって違うのでしょうかね^^;

    • 健保の被扶養者の方が配当を総合課税にした結果(恐らく年収130万を?)超えてしまうのであればだめですね。
      配当は普段の収入とみられるかどうかわかりませんが、万が一にも被扶養者はずれるリスクは避けたいですよね。
      あと税制上の扶養控除も所得税で見るので、配当を総合課税にしたら足した所得で見られると思います。
      さて、私のコメントは半信半疑に受け取っていただき必ず税務署に確認してくださいね。節税できるとよいですね♪

      • ご返信ありがとうございました!
        はい、最終確認はちゃんとしなければいけないと思っています。
        協会けんぽは、配当収入は定期的な収入とみなす県が多いようですので、配当を含めると年収130万を超えるので、やめておきます。

        ためになる記事、本当にありがとうございます^^

  • 「住民税は配当を申告しない」という処置をするということは
    国保等は上がらなくていいように思いますが、天引きされた税金は
    戻ってこないと言われました。売却利益がたくさん出て期中に税金を引かれ
    ている場合は国保等の上昇分と比較して損になることもあると思います。
    テンビンにかける必要がありますね。利益が出ていなければ問題はありませんが。
    それと、ふるさと納税の枠も半分位に減るみたいです。

    • 情報ありがとうございます。
      “天引きされた税金”というのは源泉徴収された分ということでよろしいでしょうか。
      でしたら、「住民税は配当を申告しない」とする場合はもちろん住民税の源泉徴収分は戻ってきません。
      代わりに総合課税によりそれ以上の税金がとられるのではないでしょうか?

      ふるさと納税の枠が半分ですか。すみません、ちょっとよくわかりません・・。
      どんなケースを想定するとそうなるのでしょうか。

      • 前回3月25日に、投稿しました通りすがりのものですが
        ネームはKOとさせていただきます。

        前提条件によってわかりにくいと
        思いますので書きます。

        H30年分の申告書内訳

        配当:170万
        年金等:350万

        申告方法:源泉なし:5社
             源泉あり:1社(R証券)

             総合課税で提出

        R証券は源泉有りで申告 72,386円利益 源泉徴収税額:11,084円支払い済
        他5社は合計で2100万損で源泉なしで申告 
        還付金:35万予定

        「住民税は配当を申告しない」という書類はH29年3月14日に提出済

        以上の状況で区の税金担当からR社の11,084円は戻ってこないと
        いわれました。税務署に聞いたら戻って来ると言われました。
        また聞いてみなければと思っています。

        ふるさと納税の枠が半分位に減るというのは配当の170万を申告しないというわけで
        合計所得が小さくなるので仕方がないと思っています。

        ふるさと納税の枠実積

        29年は41000円「住民税は配当を申告しない」という書類は不提出
        30年は20000円「住民税は配当を申告しない」という書類はH30年3月14日に提出済
        31年は40000円、「住民税は配当を申告しない」という書類は不提出

        以上です。

        >“天引きされた税金”というのは源泉徴収された分ということでよろしいでしょうか。

        そうです。

        >ふるさと納税の枠が半分ですか。すみません、ちょっとよくわかりません・・。
        どんなケースを想定するとそうなるのでしょうか。
        上記です。
          

      • >「住民税は配当を申告しない」とする場合はもちろん住民税の源泉徴収分は戻ってきません。
        そうでしたか!
        約17万円の配当所得に対して、約2.8万円が源泉徴収されていました。
        これを「1.住民税では申告しません」にして提出しましたが、失敗だったのかも知れませんね^^;

        • 「住民税は配当を申告しない」と「A:配当に対する住民税の源泉徴収額」は戻ってきませんが、「住民税は配当を申告する」とその代わり「B:翌年の住民税の増額」があるはずです。
          本記事の主張としてはA<Bという見方なのですから「住民税は配当を申告しない」方がよいですよね。(住民税非課税となる所得の方の場合は別です)
          私は配当の部分の税制情の扱いだけみれば「1.住民税では申告しません」と同等ですから、堀口さんは私と同じ処置をしているので、得しているはずですけどね。
          ご心配でしたら、当年の特定口座年間取引報告書、所得税の確定申告書をもって役所に出向いて「これだけの譲渡所得、配当所得があるのだけど、申告不要制度をどのように活用すれば一番節税できるの?」とダイレクトに質問するのが一番よいですねw

          • たかっち様
            お忙しい中、ご返信ありがとうございます。
            もう一つのコメントに対しても、ご丁寧に返信頂きありがとうございます。

            >「これだけの譲渡所得、配当所得があるのだけど、申告不要制度をどのように活用すれば一番節税できるの?」とダイレクトに質問するのが一番よいですねw
            たしかに!
            私が市役所に行ったときは、年度末のせいか忙しそうだったので少し言い出しにくい雰囲気でしたが、ヒマそうな時を見計らって、相談しに行った方がよさそうですね。
            この住民税の申告書は、4月初旬頃までなら、いつでも受け付けてくれそうでした。
            次回、機会があれば、相談しにいこうと思います。

            いろいろとありがとうございました。

  • 一部修正しました。

    前提条件によってわかりにくいと
    思いますので書きます。

    H30年分の申告書内訳(H31年3月7日提出)

    配当:170万
    年金等:350万

    申告方法:源泉なし:5社(S証券他)
         源泉あり:1社(R証券)

         総合課税で提出

    R証券は72,386円利益 源泉徴収税額:11,084円支払い済
    他5社は合計で800万損で源泉なしで申告 
    最終的に赤字で還付金:35万予定

    「住民税は配当を申告しない」という書類はH29年3月14日に提出済

    以上の状況で区の税金担当からR社の11,084円は戻ってこないと
    いわれました。税務署に聞いたら戻って来ると言われました。
    また聞いてみなければと思っています。

    >ふるさと納税の枠が半分ですか。すみません、ちょっとよくわかりません・・。
    どんなケースを想定するとそうなるのでしょうか。

    下記のように41000円から20000円に半減しています。
    ふるさと納税の枠が半分位に減るというのは配当の170万を申告しないというわけで
    合計所得が小さくなるので仕方がないと思っています。

    ふるさと納税の枠実積

    29年は41000円:「住民税は配当を申告しない」という書類は非提出でした。
    30年は20000円:「住民税は配当を申告しない」という書類はH30年3月14日に提出したおりに
    枠をはじいてもらいました。
    31年は40000円と回答を得ました。:(H31年3月10日にはじいてもらいました。)「住民税は配当を申告しない」という書類は非提出

    以上です。

    >“天引きされた税金”というのは源泉徴収された分ということでよろしいでしょうか。
    そうです。R証券はの源泉徴収税額:11,084円です。

    >代わりに総合課税によりそれ以上の税金がとられるのではないでしょうか?
    30年は利益が大きく出て国保等の請求が前年の2倍以上に来ましたのでショックで
    「住民税は配当を申告しない」を出したことによる縮小効果が認識できていませんでした。
    効果はあったのかもしれませんので、難しそうですが効果を計ってみたいと思います。
    もしかしてMAXの請求がきていたところが助かっていたのかもしれません。
      
    ここまで書いて考えがわいたのですが、それは全部の証券会社を、源泉無しにすれば、天引きもなくなるのではないか
    ということです。どう思われますか?他に弊害が出ますか?「住民税は配当を申告しない」という書類は源泉なしで出した方がベスト
    という理解でいいのでしょうか?

    • 返信遅くなりました。
      住民税の申告額が減ると確かにふるさと納税の枠は減りますね。どちらが得かはわかりませんが、ふるさと納税分は還元率3,4割というところなので、ふるさと納税の枠増額のためにあえて住民税で配当を申告した方が得かは疑問ではあります。

      >ここまで書いて考えがわいたのですが、それは全部の証券会社を、源泉無しにすれば、天引きもなくなるのではないかということです。
      >どう思われますか?他に弊害が出ますか?「住民税は配当を申告しない」という書類は源泉なしで出した方がベストという理解でいいのでしょうか?

      源泉徴収なしにしたら、その特定口座の収益は申告しなければいけません。そして申告すれば、源泉ありとした場合と同じだけ住民税がとられるだけです。よって、特定口座の源泉徴収あり・なしの変更は意味がありません。
      源泉徴収ありの特定口座は、特定口座ごとに申告するかどうかを選択できます。源泉徴収あり・なしのどちらを選んでもかかる税金は変わりませんが、源泉徴収ありの口座については収益を申告しなくてもよいので、何百万稼いでも申告しなければ税制上所得は0円です。所得が増えないということは、扶養が外れない等のメリットがありますので、特定口座に関しては源泉徴収なしにするメリットはありません。(年間収益が20万未満ならば所得税の申告をしなくてよいので源泉徴収なしだと節税できますが、今はそういう話ではないですよね)

      さてさて、他の皆様にも同じことを言っておりますが責任を持てませんので、私のコメントは話半分に聞いていただき、詳細は税務署・役所に確認をお願いします。
      私も「こうするといくら得するのか?これとこれを比較するとトータルでどちらが得なのか。その内訳は?」と税務署・役所にダイレクトに質問しています。納得するまで根掘り葉掘り確認ですね♪

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    ABOUTこの記事をかいた人

    30代某大手IT企業サラリーマン。 20代で社会保険労務士取得。妻娘の3人家族。爆益をあげているハイリスカー達を後目に、リスクを嫌い小銭を稼ぐ孤高の戦士。 2017年2月より株をスタートし、着実に収益確保。過去実施してきた財テクも含め情報発信していきます。